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岩魚

日本各地にイワナの亜種が存在するが、一番多く分布するのがニッコウイワナだ。放流事業で放されるイワナはニッコウイワナが多く、独自の種が生息する水系にも無秩序に違う種のイワナを放流してきた。、その結果交配が進み、現在では在来種と呼べるイワナは一部河川の源流部にしか生息していないのが現状である。

私はニッコウイワナ水域の地域に住んでいるので、ニッコウイワナと遊ばせてもらっているのだが、イワナに特別な拘りがある訳ではない、と思う。
なるべく人工物のない流れ、自然豊かな場所を求めると、どうしてもそこはイワナが遊び相手の流れになる。釣りが大部分の欲求をみたしてくれるのは確かだが、冷たい沢の流れやブナ林の芳醇な匂い、山菜やキノコなど釣り以外でも、渓流の楽しみは数知れない。

・・・でもよく考えてみたら(本当は考えなくても)私はイワナ好きだ。イワナを上から見たときの丸っこい愛嬌のある姿や、鼻の落ちたオスイワナの精悍な魚体はやっぱり素晴らしいと思う。
少年の頃、初めてイワナとの出会いは今でもはっきり覚えている。
父親と一緒に行った山奥の山菜採り。汚れた手を洗おうと脇の沢を覗き込んだ瞬間に、その小さな淵を真っ黒の魚体が横切ったのだ。
魚好き釣り好きな少年は、こんな山奥の小さな沢に魚が住んでいることに本当に驚いた。
その衝撃は今でも忘れられないし、私がイワナ釣りに惹かれる原点かもしれない。
その後、毎年の様に父親と山菜採りに行っては、その小さな淵にイワナを見つける事が楽しみだった。
今でも沢のイワナを釣りに出掛けるのは、同じようにイワナとの出会いを求めて釣りに行くのかもしれない。

 
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